ければならない。ただ、行政サービスの場合、公共財と呼ばれるようなものについては、顧客が特定できず誰れでもその利用から排除されることがなく、その意味で対価性がはっきりしなかったり、性質上供給独占になっていて他の生産者のものに選択技を変更することが事実上困難なものもあるので、当該サービスを購入するかどうかとか、購入先の選択については顧客としての自由な行動が制約をうけるという面はたしかにある。しかし、生産者(行政)の仕事のやり方にクレームをつけ、これを監視しつつ改善をせまるということは十分に可能である。
V. ところが、この顧客の行政に対するニーズ、意向というものが必ずしも十分に伝えられていないのである。このことについては、あるいは納税者意識が希薄であるためであるとか、行政サービスによる受益と負担の関係が不明確であるからなどといわれてきたが、何でそうなのかその背景を考えてみると、ひとつには、顧客サイドに必要な「商品情報」が不足していることが大きいと思われる。顧客側からも意識して商品情報の開示を求めることが少く、又生産者も必要な商品情報を積極的に発信したり、提供したりすることが少なかった傾向は否めない。行政の効率的執行を確保するためには、外部からのチェックが欠かせない。行政の透明性に対する要請がたかまっている今日、必要な情報について制度的な公開、積極的な提供に努力していくべきだろう。又、住民としても、一般商品の購入についてはきちんと吟味するのに、こと行政サービスについては無関心、おまかせではすまなくなっている。
いまひとつ、行政サービスのコストパフォーマンス、費用に見合った効果をあげているかどうかの評価をむつかしくしているのは、事情実績、効果を定量的、客観的に測定する手法が未だ十分に整備されていないこともその理由にあげられよう。計画や予算が重視され、目標に対する達成度の点検、決算といった事後評価が軽視されがちなこれまでの行政手法にも問題があったと思われる。
これからは、事業の実績が何らかの形で行政当局に対する評価に結びつくシステム、組織なり人に対し、常にコストパフォーマンスをたかめるように働くインセンティブを組みこんでおくことが必要だろう。
分権の時代を迎え、地方自治体の役割はますます大きくなっていくが、「顧客」の代表としての地方議会にも、その本来の機能を発揮すべく大きな期待が寄せられている。

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